経理部門の変革に活かす「3ピラーモデル」経理部門の変革に活かす「3ピラーモデル」

経理部門は、企業の経営を支える重要な役割を担っています。しかし、その業務は日々の定型作業が中心で、新たな取り組みに対応する余裕がないという課題があります。そこで注目されているのが、人事組織のあり方として提唱された「3ピラーモデル」です。

3ピラーモデルの概要とその効果

3ピラーモデルは、ミシガン大学のデイビッド・ウルリッチ氏が提唱したもので、BP(Business Partner)、OPE(Operational Excellence)、CoE(Center of Excellence)の3つの柱から成り立っています。これらはそれぞれ、戦略的なビジネス変革を推進する役割、定型業務を担う役割、人事制度や人材育成の専門家集団の役割を果たします。このモデルは多くのグローバル企業で採用され、人事の効率化・高付加価値化を実現しています。

3ピラーモデルの適用

この3ピラーモデルを経理部門に適用すると、従来の定型的な経理業務はOPEが担い、そのデータの蓄積をもとにBPが事業計画などを提案し、CoEは会計制度および内部統制でのチェックを行う、といった流れで業務を進めることができます。経理部門をこうした組織に転換していくことで、古いやり方の業務改善や、スピード感のある新規施策に対応しやすくなります。

組織改革の困難性と解決策

しかし、組織改革は難しく、リソースが不足している場合には、外部の専門家に協力を仰ぐのも一つの方法です。経理部門は変革の余地が大きい部門とされていますが、リソース不足などで、根本的な業務の変革まで手が回らないケースも多いのが現状です。

3ピラーモデル導入の意義と期待

組織変革は一夜にして行えるものではありませんが、業務の見える化や効率化、コスト削減といった改善は多くの企業で実現できます。「経理業務を変革・改善したいが、自社のリソースが足りない……」という場合は専門家に相談してみても良いかもしれません。3ピラーモデルの導入は、経理部門の業務改革を進めるための有効な手段となります。経理部門の変革を通じて、企業全体の経営改善につながることでしょう。